- 羊の毛刈りの予習ができる。
- 羊が毛刈りでどれだけストレスが溜まるか知ることができる
こんにちは、フリーランスのToyです。
実は私、学生時代に羊の世話をしたことがあります!
本日は、その時実際に体験した『羊の毛刈り』について書いていきます。
なぜ毛刈りをするのか
毛刈りをする理由
羊の毛刈りは、ただ羊毛を取得することだけを目的として行うわけではありません。
もちろんそれも目的の一つではありますが、一番の理由は、
『健康のため』
です。
もともと羊は、犬や猫と同様に毛が毎年生え変わる動物だったのです。
しかし、現在の家畜用羊たちは、たくさんの羊毛が取れるようにと品種改良をされているため、延々と伸び続けます。こんな感じ↓
そうすると、もともと毛の量で体温調節をしていた羊は夏の暑さに耐えられず、病気になってしまいます。
毛刈りの回数と時期
羊が病気にならないように、羊の毛刈りは年に1度行います。
実際に毛刈りが行われるのは、だいたい3月下旬〜5月中旬です。
毛刈り時期があまりにも早すぎると羊が風邪を引いてしまったり、遅すぎると暑さに耐えられなくなったりするため、寒い冬を越えて暑い夏を前にしたこの時期が羊にとって最も適しているのです。
羊の毛刈方法
毛刈り前の準備
毛刈りの最中は羊を長時間同じ姿勢で固定し、胃などに負担をかけるため、羊が嘔吐しないように当日は餌を与えません。
羊よ!動くな!!
毛刈り中に羊が動いて怪我をすることが無いように、羊を保定(動かないようにすること)します。
具体的な保定方法は忘れたため省略させていただきます。保定後の姿勢はいくつかありますが、私が習ったのは①羊をお尻で立たせる体勢と、②羊を横に寝かせる体勢の2パターンです。
①の体勢の時は、羊の背中側から人間の両足で挟み、片手で顎を軽く抑えておきます。
②の体制の時は、羊の背中の中心部に脚を差しこみ、羊の体を少し浮かせておきます。
羊の保定にはある程度体力を要するので、私の学校では1人が保定して、他の人が毛を刈るというように分担して行なっていました。
よっしゃ!毛を刈るぞ!!…の前に一つだけいいたいこと
羊の毛刈りといえばバリカンのイメージが強いと思いますが、私たちの学校ではバリカンを使用しません。
その理由は、なんと!
学校がただただ貧乏
だったからです。
先生曰く、バリカンはあるけど刃が故障していて使えないとのことだったので、翌年には買い換えるかと思いましたが、私が在籍している間の毛刈りはずっとハサミで行われました。
おまけにそのハサミ!そこらへんで売られているただのハサミなのです!
通常ハサミで毛刈りと言えば、左の写真のような羊用剪毛ハサミを使用しますが、私たちが使用したのは右の写真のようなただの事務用のハサミです。
きっと、学校が貧乏で買えなかったのでしょう。。。(T ^ T)
今度こそ!毛を刈るぞ!!
さて、それでは本題の毛の刈り方についてです。
- 羊の毛は1年でかなり伸びているため、まずは羊の肌が見えるくらいに毛を掻き分けます。
- 掻き分けた毛の利き手と反対側の方だけそのまま押さえておきます。
- 利き手でハサミを持ち、押さえていない方の毛の根元に歯を差し込みます。
- 差し込んだら、切ります。
- 2〜4を繰り返して、毛を刈っていき、羊の毛が全部枯れたら完了です。
- 一度に刈る毛の量はあまり欲張らず、少量ずつ刈るのが重要です。一度に大量の毛を刈ろうとすると、一回で刈れる毛の長さが全体的に短くなります。
- 羊の皮を切らないよう注意して行いましょう。万が一羊の皮を切った場合は、慌てず落ち着いて羊に謝りましょう。
- 羊の毛には大量の油がついているため、毛を刈っているとハサミがベトベトにり毛を刈りにくくなります。ハサミの油を拭けるような布やタオルを準備しておくと良いです。
- 羊は保定をしているとあまり動きませんが、長時間同じ体勢でいるとストレスがたまり暴れることがあるので、なるべく早めに作業を終了するように気をつけましょう。
ちなみに、学生たちは毛を刈るのに慣れないまま卒業するため、毛を刈る速度はかなり遅いです。そのため、一頭に付き、1日1時間×5回程度で毛刈りを行なっていました。
ハサミ以外で毛を収穫する方法
羊の毛を収穫する方法は、ハサミで刈る以外にも以下の二つの方法があります。
- バリカンで刈る方法
- 薬剤を注射し、脱毛させて毛を収穫する方法
バリカンでハサミで刈る方法は多くの方がご覧になったことがあるかと思いますが、薬剤を使用する方法は初耳の方も多いと思いますので、薬剤を投与して毛を収穫する方法の動画を貼っておきます。
動画: